【オフィス移転事例】「誰と、どこで戦うか」──成長フェーズで選んだ“次のステージ”のオフィス戦略

繊維開発やアパレル製品のOEM・ODMを軸に、雑貨や食品、メディカル分野まで幅広く事業を展開する総合商社、Nolook商事株式会社。

少数精鋭の体制ながら、複数の領域を横断しながらビジネスを拡張し続けています。

同社を率いるのは、代表取締役CEOの平海諒平様。

掲げる行動指針は「商いにまみれろ」。日常のあらゆる事象をビジネスの視点で捉え、思考し続ける文化が組織に根付いています。

「電車の広告を見ても、“なぜこの会社はこれだけ出稿できるのか”を考えてほしい」——。
そう語る言葉からは、環境に左右されず、常に本質を問い続ける姿勢が伝わってきます。

そんな同社が今回、港区芝浦へオフィスを移転。
背景にあったのは、単なる拡張ではなく、「会社としてどのステージで戦うのか」を見据えた意思決定でした。

本記事では、移転の背景にある考え方や意思決定のプロセス、そして新たな環境がもたらした変化について、平海様にお話を伺います。

オフィス移転の背景・課題
  • 事業拡大によりオフィスが手狭
  • 今のフェーズに対して環境が見合っていない
  • 対外的な印象や信頼感が不足
オフィス移転後の成果
  • 組織拡大に対応できる環境を確保
  • フェーズに見合う環境へアップデート
  • ビルグレード向上により対外的な印象を強化
目次

会社のフェーズを引き上げるための移転。成長の延長線上にある意思決定

Nolook商事株式会社/平海諒平様

――今回のオフィス移転を考えられたきっかけ・目的を教えてください。

平海様:今回の移転は、「会社として次のステージに進むための意思決定」という意味合いが大きいです。

実は、移転自体は以前から漠然と検討していました。スリースターさんとも1年ほど前から接点があり、具体的な物件のご紹介もいただいていたのですが、当時はビル側からの引き留めもあり、すぐに動くという状況ではありませんでした。

ただその後、事業の拡大とともに採用の必要性が高まり、組織としての規模も少しずつ大きくなってきました。加えて、取引先の企業規模も上がっていく中で、「会社としての見え方」や「信頼感」といった部分の重要性を強く感じるようになりました。

これまでは、限られた環境の中でいかに成果を出すかという点に重きを置いてきましたが、今後は「どのような環境で事業を展開していくか」も含めて、会社の価値をつくっていくフェーズに入ったと認識しています。

そうしたタイミングで、入居していたビルの再開発に伴う退去の案内もあり、結果的にすべての条件が重なったことで、移転を具体的に意思決定するに至りました。

今回の移転は、単なるスペースの拡張ではなく、採用力の強化や対外的な信頼性の向上といった観点も含めて、「会社のあり方そのものをアップデートする」ための重要な一手だったと考えています。

――以前のオフィスでは、どのような課題がありましたか。

平海様:一番大きかったのは、事業の拡大と採用の進展に対して、オフィス環境が少しずつ追いつかなくなってきていた点です。スペース的にも徐々に手狭になってきていましたし、今後さらに仲間が増えていくことを考えると、働く環境としても少し無理が出始めていると感じていました。

一方で、これまでのオフィスには本当に感謝しています。創業当初は乃木坂のマンションの一室からスタートして、三田、赤坂、虎ノ門と、少しずつ拠点を移しながらここまでやってきました。

決して恵まれた環境ばかりではなかったですが、その中で試行錯誤しながら事業を伸ばし、仲間が増えていったプロセス自体が、今の会社の土台になっていると思っています。

また、これまでのオフィスは良い意味で“ベンチャーらしさ”のある環境で、スピード感や自由度の高さという点では非常にフィットしていました。ただ、会社のフェーズが変わる中で、求められる役割や見え方も少しずつ変化してきた実感があります。

例えば、来客対応やセキュリティ面、対外的な信頼感といった観点では、もう一段階アップデートが必要だと感じる場面も増えてきましたし、採用という観点でも、「ここで働きたい」と思ってもらえる環境づくりの重要性を強く意識するようになりました。

これまでの延長線上ではなく、「これからの会社にふさわしい環境をつくる」という意味で、今回の移転は必要なステップだったと考えています。

そしてこれまでと同じように、少し背伸びをした環境に身を置くことで、自分たち自身がそこに引き上げられていく。今回も、そんな成長のきっかけになる移転にしたいと思っています。

――そのような課題は解決されましたでしょうか。

平海様:はい、大きく改善されたと感じています。まず、事業の拡大に伴って手狭になっていた点については、今回の移転でしっかりと解消されました。今後の採用も見据えたうえで、あらかじめ余白を持った空間を確保できたことは、非常に大きな変化だと思っています。

また、これまでどこかで感じていた「今の自分たちに対して、環境が少し追いついていないのではないか」という感覚も、今回のオフィスでは自然と解消されました。

創業からこれまで、環境に自分たちが引き上げられてきたという実感がありましたが、今回は「今の自分たちのフェーズにしっかり合った場所に身を置けている」という感覚に変わっています。

その結果として、社内の働きやすさはもちろん、来客時の印象や対外的な見え方といった部分でも、会社としてのスタンスをより明確に示せるようになったと感じています。

単にスペースや設備が整ったというだけでなく、「この環境で、次のステージの戦いをしていく」という前提が整ったこと。

それが今回の移転で得られた、一番大きな変化だと思います。

「選べるフェーズ」に入ったからこそ選ぶ環境。積み上げの先にあるオフィス戦略

洗練されたビルエントランス
企業イメージを高める外観

――物件選びで重視されたポイントを教えてください。

平海様: 一番重視したのは、「今の自分たちのフェーズに対して、どのレベルの環境が適切なのか」という見極めです。

これまでは1フロア1テナントのオフィスでやってきましたが、組織が拡大していく中で、同じような条件でスペースを確保するのが難しくなってきていました。そうなると、選択肢としては「よりコンパクトな空間に密度高く入る」か、「ビルのグレードを上げて大型ビルに入るか」の大きく2つに分かれていたと思います。

ただ、大型ビルといっても、例えば虎ノ門ヒルズのような象徴的なビルになると、「まだ自分たちには早いのではないか」という感覚も正直ありました。それは単に背伸びという意味ではなく、賃料も含めて、事業とのバランスが取れているかという視点です。

経営として大事にしているのは、「地に足をつけた上で最大化すること」なので、環境だけを先行させるのではなく、あくまで事業とのバランスの中で最適な選択をすることを意識しました。

その上で、これまで積み上げてきたものに対して、きちんと見合うビルグレードでありながら、今後の成長も受け止められる環境かどうか。

最終的には、「この環境でなら、自分たちらしく戦っていける」と思えるかどうかを基準に判断しています。

結果として、これまでの延長線上にありながらも、しっかりと一段階引き上がったと実感できるオフィスを選ぶことができたと思います。

ショールーム機能を備えたエントランス
ショールーム内にある打ち合わせスペース

――新オフィスで気に入っているポイントはどこですか。

平海様:一番気に入っているのは、やはりオフィスからの眺望ですね。

18階ということもあって視界が大きく開けていて、朝オフィスに来てこの景色を見ると、自然と気持ちが切り替わるというか、「今日もやるぞ」というスイッチが入る感覚があります。日常の中にそういった瞬間があるのは、思っていた以上に大きいですね。

オンラインミーティングの際にも、「それバーチャル背景ですか?」と聞かれることが多くて、実際の空間としてのインパクトも感じています。単純に気持ちがいいというだけでなく、「この環境で仕事をしている」という実感が、自分たちのスタンスや自信にも繋がっている気がします。

また、アクセスの良さも大きなポイントです。これまで少数精鋭でやってきたからこそ、一人ひとりが最大限パフォーマンスを発揮できる環境は大事にしてきましたし、移動や来客対応のしやすさは、結果的にビジネスのスピードにも直結します。

働く人にとっても、来ていただく方にとってもストレスのない立地であることは、日々の積み重ねの中で効いてくる部分だと感じています。

――今回、当社にオフィス仲介をご依頼いただいた理由を教えてください。

平海様:実は、今回の移転にあたって他の仲介会社には一切声をかけていません。

僕自身、仕事は「何をやるか」以上に「誰とやるか」が重要だと思っていて、最終的な成果やスピードも含めて、そこに大きく左右されると考えています。ある意味で、少し感覚的な部分もありますが、「筋が通っているか」「信頼できるか」という点は常に大事にしています。

吉田さんとはこれまでのやり取りの中で、「この人に任せるのが一番早いし、間違いない」と自然に思えていました。

実際、オフィス移転の相談も、特別に構えた場ではなく、ランチや日常の会話の延長線上で進んでいきましたし、一緒に移動したり食事をしたりと、そうした時間を重ねる中で信頼関係ができていったのだと思います。

相談してからの動きも非常にスピーディーで、こちらの意図を汲んだ提案や意思決定の進め方も含めて、ストレスを感じることがほとんどありませんでした。「一緒に進めている感覚」があったのは大きかったですね。

また、今回の移転だけでなく、その後もスリースターさんには継続してお願いしています。品質管理部の倉庫兼作業場など、すでに複数の物件をお任せしていますし、結果として2件目、3件目と自然にお付き合いが広がっています。

僕は、人とのご縁の中で仕事が広がっていくタイプだと思っているので、今回も「筋の通った選択をした」という感覚がありますし、「任せるべき人に任せた」という意味でも、非常に納得感のある意思決定だったと感じています。

――移転後の反応はいかがでしたか。

平海様:移転してすぐに、社内の空気ははっきりと変わったと感じています。

ちょうど業務開始が月曜日で、いつも通り全社の朝会を行ったのですが、その中で各メンバーが「新卒の頃の感覚に戻った気がする」「自然と背筋が伸びて、よりシャキッとする」といった声が多く出てきたのが、とても印象的でした。

環境が変わることで、人の意識や姿勢がここまで変わるのかと、改めて実感しましたね。

実際に、日々の振る舞いにも変化が出ていて、これまで以上に服装や立ち居振る舞いを意識するメンバーが増えましたし、社員証の着用や来客対応といった基本的なルールも、より徹底されるようになってきました。

総務側からの声かけも含めて、組織として「きちんとするべきことはきちんとやる」という意識が一段上がった感覚があります。

以前は、良い意味で自由度の高い環境だった分、自分たちだけ少しラフにやっていた部分もあったと思うのですが、今のオフィスはビルのグレードや入居企業の水準も高いので、「この環境に見合う会社でありたい」という意識が自然と生まれているのだと思います。

また、社外からの反応も大きく変わりました。来社された方から「いいオフィスですね」と言っていただく機会が明らかに増えましたし、印象が変わる場面も実感しています。

環境が変わることで、社内外の見え方や意識がここまで連動して変わるのは、想像以上でしたね。

この環境からさらに上を目指す。次の成長フェーズと新規事業への挑戦

MEGURIのスパイクマットをはじめとした商品

――今後の展望について教えてください。

平海様:現在は、ウェルネス領域の新規事業にも力を入れています。ここ3年ほどでリカバリーや健康といった分野は確実に伸びていて、世の中の関心も大きくそちらに向かっていると感じています。

その中で展開しているのが、「MEGURI」というセンサリーブランドです。スパイクマットをはじめ、香りや触覚など“五感”にアプローチすることで、人を整える「癒しセンサリービジネス」を掲げています。

背景にあるのは、すごく個人的な想いでもあります。これまで仕事に全力で向き合ってきた中で、自分自身が「整えること」や「癒し」を求めるようになりましたし、年齢を重ねる家族にも、良いものを届けたいという気持ちが強くなりました。

この事業のターゲットは、究極的には自分自身です。自分が心から欲しいと思えるものしかつくらないし、自分が愛せるプロダクトだけを世に出す。そういうスタンスでやっています。

同時に、会社としては「何の会社か?」と問い続けることも大事にしていて、日々の行動や意思決定の中でも、その視点を持ち続けるようにしています。

MEGURIの成長によって、単なるプロダクトではなく、“ブランドとして選ばれる会社”になっていくこと。

そして、自分たちが信じる価値をきちんと世の中に届けていくことが、これからの一つの軸になっていくと考えています。

担当の吉田と平海様

――最後にオフィス移転を考えている方にアドバイスがあればお願いいたします。

平海様:オフィス移転は、単なる環境の見直しではなく、「会社としてどのステージに進むのか」を決める意思決定だと思っています。

だからこそ、判断軸はシンプルでよくて、「この環境で戦うべきかどうか」。そこに尽きると思います。
いろいろな意見は出ますが、最終的には会社としてどこに向かうのかを明確にすることが大事ですし、意思決定に関わる人数も増やしすぎない方がいいと感じています。

実際、環境は確実に人を変えます。今回の移転でも、社員の意識や振る舞い、社外からの見られ方が大きく変わりました。

オフィスはコストではなく、会社を一段引き上げるための投資です。無理に背伸びをする必要はないですが、これまで積み上げてきたものに見合う環境を選ぶことは、次の成長に直結すると思います。

あとは、最後はご縁やタイミングもあると思っていて、ある程度は「なるようになる」と腹をくくることも大事だと思います。自分たちの軸を持った上で、その流れに乗ることができれば、良い意思決定に繋がるのではないでしょうか。

――貴重なお話をありがとうございました!

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