オフィスの敷金は何ヶ月分?相場・計算例・返還時期・減額方法を解説します

賃貸オフィスを借りる際、初期費用の中でも大きな負担になりやすいのが敷金・保証金です。

物件によって異なりますが、10〜40坪程度のオフィスでは賃料の3〜6ヶ月分、50坪以上では6〜12ヶ月分がひとつの目安です。月額賃料75万円の場合、敷金6ヶ月なら450万円、12ヶ月なら900万円を用意する計算になります。

また、新しいオフィスの敷金を支払う時点では、現在のオフィスに預けた敷金がまだ返還されていないことがほとんどです。そのため、敷金の金額だけでなく、支払いと返還のタイミングを含めて資金を準備することが重要です。

この記事では、オフィスの敷金相場や計算方法、返還時期、敷金などの初期費用を抑える方法を分かりやすく解説します。

目次

賃貸オフィスの敷金・保証金とは?

敷金とは、賃貸借契約に基づいて発生する借主の債務を担保するため、借主が貸主に預ける金銭です。民法では敷金を以下のように定義しています。

いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、 賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう

民法第622条の2(2026年7月現在)

つまり、契約書に「保証金」と書かれていても、実質的に同じ目的で預けるものであれば、敷金と同様の性質を持ちます。

敷金・保証金は何のために預ける?

オフィスの敷金・保証金は、主に次の費用に備えて設定されます。

  • 賃料や共益費が支払われなかった場合の未払い分
  • 退去時に借主が負担する原状回復費用
  • 解約条件に基づく違約金などの契約上の債務

これらの費用を差し引く必要がなければ、契約終了後に敷金の残額が返還されます。

敷金・保証金・礼金・保証会社の違い

敷金や保証金と合わせてよく耳にする言葉に、礼金や保証会社があります。それぞれ役割と返還の有無が異なります。

スクロールできます
項目内容返還の有無
敷金賃料の未払いや契約上の債務に備えて貸主へ預ける金銭精算後の残額が返還される
保証金実務上、敷金と同様の目的で使われることが多い金銭契約条件により返還される
礼金契約時に貸主へ支払う一時金原則として返還されない
保証会社利用料保証会社を利用するために支払う費用原則として返還されない

敷金と保証金に全国共通の明確な使い分けがあるわけではありません。名称だけで判断せず、契約書に記載された返還条件や償却条件を確認することが重要です。

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オフィスの敷金・保証金は何ヶ月分?

面積別の敷金相場

オフィスの面積敷金・保証金の目安
10〜40坪程度賃料の3〜6ヶ月分
50坪以上賃料の6〜12ヶ月分

上記はあくまで目安です。実際の月数は、貸主の方針、物件のグレード、借主企業の業績や設立年数、保証会社の利用などによって変わります。

オフィスは住宅より月額賃料や原状回復費用が高額になりやすいため、複数月分の敷金が設定される傾向があります。

セットアップオフィスなど、一般的な賃貸オフィスより敷金を低く設定した募集もあります。ただし、保証料などの別費用を含めて比較する必要があります。

オフィスの敷金が住宅より高い理由

オフィスの敷金は、住宅よりも高く設定される傾向があります。主な理由は、月額賃料が高く、退去時の原状回復工事も大規模になりやすいためです。

オフィスでは、間仕切り、床、天井、照明、空調、電気配線などに工事を行うことがあります。借主が賃料や原状回復費用を支払えなくなった場合、貸主の負担額も住宅より大きくなります。

そのため、賃料の未払いや退去時の費用に備えて、複数月分の敷金が設定されます。実際の月数は、物件のグレード、貸主の方針、借主企業の業績や設立年数、保証会社の利用などによって異なります。

敷金・保証金の計算方法

敷金は、一般的に次の式で計算します。

敷金・保証金=計算対象となる月額賃料×敷金月数

例えば、月額賃料75万円で敷金6ヶ月の場合は、次の計算になります。
75万円×6ヶ月=450万円

敷金は月額賃料を基準に計算するのが一般的ですが、固定金額で設定される契約もあります。募集条件や契約書に記載された実際の金額を確認しましょう。

契約時には、敷金のほかに前家賃、仲介手数料、保証会社利用料、火災保険料などがかかる場合があります。

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敷金・保証金はいつ返還される?

敷金は、解約を申し入れた時点ではなく、賃貸借契約が終了し、旧オフィスの明け渡しが完了した後に返還されるのが基本です。具体的な返還時期は契約書で確認します。

ただし、この規定は任意規定とされているので、個別の特約条項により返還時期が設定されている場合には、特約条項が有効となります。

敷金返還までの流れ

一般的には、次のような順番になります。

新オフィスの賃貸借契約
新オフィスの敷金を支払う
内装工事・引越し
旧オフィスを退去・明け渡し
原状回復や未払い費用を精算
旧オフィスの敷金残額が返還される

多くの場合、新オフィスの敷金を支払った後に、旧オフィスの敷金が返還されます。

そのため、現在のオフィスに預けている敷金を、そのまま新オフィスの契約金に使える可能性は低いです。一時的に新旧両方の資金が必要になることを想定しておきましょう。

敷金・保証金は全額返ってくる?差し引かれる費用

敷金は必ず全額返還されるわけではありません。契約内容や退去時の状況によって、次の費用が差し引かれることがあります。

費用内容
未払い賃料・共益費退去時点で支払いが済んでいない賃料など
原状回復費用借主負担となる工事を貸主が実施した場合など
償却・敷引き契約時に定めた金額を返還せずに差し引く条件
違約金など解約条件や契約内容に基づき発生した債務

敷金から何が差し引かれるかは、契約書の内容によって異なります。「敷金は返ってくるもの」と考えるだけでなく、契約前に返還条件を確認することが重要です。

償却・敷引きとは

償却とは、退去時に敷金や保証金から、あらかじめ定めた金額を差し引いて返還しない契約条件です。関西では「敷引き」と呼ばれることもあります。

例えば、保証金600万円、償却20%と定められている場合、120万円が償却され、ほかに差し引く費用がなければ480万円が返還される計算です。

敷金・保証金に消費税はかかる?

契約終了時に返還される敷金・保証金は、消費税の課税対象になりません。

一方、事業用建物の契約で返還しないことが決まっている償却部分などは、課税対象となります。具体的な処理は契約内容によって異なるため、契約書や請求書を確認しましょう。

契約前に確認したい5つのポイント

敷金の月数だけでなく、次の項目を契約前に確認しましょう。

確認項目確認する内容
敷金の金額何ヶ月分・何円を預けるのか
償却返還されない金額があるか
返還時期明け渡しから何ヶ月後に返還されるか
原状回復工事範囲と指定業者の有無、償却とは別に費用がかかるか
保証会社加入の要否、初回保証料、更新料はいくらか

原状回復工事の範囲や業者が指定されているかによって、退去時の費用が大きく変わることがあります。敷金だけでなく、退去時の条件まで確認することが重要です。

オフィスの敷金・初期費用を抑える3つの方法

敷金の金額は募集条件に記載されていますが、必ずしも最初に提示された条件のまま契約しなければならないとは限りません。

物件や企業の状況によっては、敷金を減額できる場合があります。

敷金の減額や保証会社の利用を相談する

物件や借主企業の状況によっては、申込時に敷金を減額できる場合があります。

決算内容や事業実績などを貸主へ提示したり、保証会社を利用したりすることで、敷金を抑えられる可能性があります。ただし、保証会社を利用する場合は、初回保証料や更新料がかかります。

敷金0ヶ月・低敷金の物件を探す

物件によっては、敷金0ヶ月や1〜3ヶ月など、敷金を低く設定した募集があります。

ただし、敷金が少なくても、保証料、礼金、契約手数料、賃料などが高ければ、移転費用全体は安くなりません。契約時に支払う総額で比較しましょう。

低敷金のセットアップオフィスも比較する

セットアップオフィスとは、会議室や受付、執務室などの内装があらかじめ整えられた賃貸オフィスです。物件によっては、デスクや椅子などの家具も用意されています。

一般的な賃貸オフィスでは敷金が6〜12ヶ月に設定されることがありますが、セットアップオフィスには、敷金0〜3ヶ月など、比較的低い条件で募集される物件もあります。内装工事や家具購入にかかる費用も抑えられるため、移転時に必要な初期費用全体を減らせる可能性があります。

株式会社スリースターは、セットアップオフィスを含む内装付きオフィスの仲介実績が累計520件を超えています(2026年7月時点)。これまでの仲介実績をもとに、敷金月数だけでなく、保証料、内装費、家具費、退去時の条件まで含めて、一般的な賃貸オフィスとの費用差を比較いたします。

ただし、セットアップオフィスであれば必ず安いわけではありません。敷金、保証料、内装・家具費、引越し費用、新旧オフィスの賃料重複、原状回復費用を含めた総額で判断しましょう。

セットアップオフィス検索サイト「RAKNA(ラクナ)」はこちらから

まとめ

オフィスの敷金・保証金は、10〜40坪程度で賃料の3〜6ヶ月分、50坪以上では6〜12ヶ月分がひとつの目安です。

新オフィスの敷金を支払う時点では、旧オフィスの敷金がまだ返還されていないことがあります。敷金の月数だけでなく、返還時期、償却、原状回復、保証会社利用料まで確認しておきましょう。

初期費用を抑えたい場合は、一般的な賃貸オフィスだけでなく、低敷金物件やセットアップオフィスも含め、移転にかかる総額で比較することが大切です。

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